<特別投稿>今帰仁城跡や周辺の発掘、修復や管理をおこなう文化財係り。専門家の目がとらえた今帰仁城跡。

田辺泰撮影の戦前の今帰仁城跡

昭和9年(1934)に今帰仁城跡を訪れ、写真を撮影した人がいます。今帰仁城跡を撮影された写真としては古い写真の1枚です(上)。

その写真は、後年『琉球建築』として沖縄の建築物について体系的に紹介しております。戦災で多くの木造建築が失われた沖縄で、古い建築物を知ることのできる1冊として有名な書籍となっています。

本の執筆者は田辺泰で、当時助手であった巌谷不二雄との現地調査によるものであります。

当時はガラス乾板の写真で、機材も昨今のデジカメのように軽く、また幾らでも撮影できるという手軽さは無かったと思われます。調査隊は当時山奥深くの今帰仁城跡まで訪れ、山の上まで機材を運んだのでしょう。とても大変だったと思われます。

現在整備された姿の写真(下)と比べると、荒廃した城壁ですが、思ったより残っていることが分かるのではないでしょうか。この箇所は1964年に琉球政府文化財保護委員会、昭和55年度(1980)に部分修理を行うなど何度か修理が行われておりますが、古い写真の伝える城壁のライン、城壁の高さなどからその様子を知ることができます。また、石と石の目地や石の形などから、オリジナルの石がどの程度残っているかについても確認できます。

平成20年度には本城壁の前面を造成、張り芝した上で城壁に近づきすぎないようにするためのバリアーとしてソテツが植え付けられました。古い写真でもソテツが植え付けられ、手前側が畑になっている様子が確認できます。

今帰仁城跡の整備では、このような古い写真なども利用して参考にしながら、発掘調査や民俗慣行などの様々な情報を入手しながら整備しています。

 

今帰仁城跡見学 (80).jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DSC_0005.JPG

ブログ記事一覧