<特別投稿>今帰仁城跡や周辺の発掘、修復や管理をおこなう文化財係り。専門家の目がとらえた今帰仁城跡。

最近読んだ本に・・・

「上杉茂憲(もちのり)」という方をご存じだろうか?

沖縄県令として明治期に沖縄にやってきた、今いうところの県知事として赴任した。

その上杉茂憲について描いた、文庫を入手。しばらく積読していたが、このままではいけないと思い、最近ようやく読んでみた。

『上杉茂憲-沖縄県令になった最後の米沢藩主-』童門冬二著(祥伝社新書)

感想はさておき(もちろん良書ですので、是非皆様にもお勧めしますが、今回の本題は別なので・・・)。ちょっとだけ、うれしくなる一文を見つけたので紹介しておこう。

著者は、沖縄にハマった、熱烈な沖縄ファンだそうである。自信の長年の経験と出身などにゆかりを感じ、上杉茂憲の話をまとめることになったという。本書の冒頭、著者の自己紹介の一文で、以下のような記事を発見した。

「私が好きなのは北山の拠点であった、今帰仁城である。文字通り古城の面影をそのまま残している。最近は、城の入口周辺が公園化され、きれいに整備された。むかしは城の入口に一軒の古びた茶店しかなかった。今帰仁城の整備は、古さをそのまま生かしながら、現代の観光客の求めに応えようという意欲がよくあらわれている。(前掲書・18頁)」

さすが、通の方は良くご存じである。リピーターや、コアな城ファンの方には、どうしても観光客が増え「つまらなくなった」とお叱りをいただくことが多い。矢継ぎ早に行われる整備によって「旧来あった城跡としての趣が失われていく」と感じるようだ。何度も今帰仁に足を運んでいただけるお客様に、紹介のように言われることは正直あまり少ない。ということで、なんだか少しばかり整備にかかわる者として、意欲が伝わった感じがしてうれしくなった。

一見さんだけでなく、何度も訪れる城にするためには、旧状を守り、阻害景観を排しながら、多くの来訪者を受け入れる工夫を凝らすことが求められる。遺跡を守るばかりでなく、分かっていただくために、あるいは、趣を感じていただけるようにいつも心を砕いているつもりである。

まとまりは、無いが、ちょっとした本の紹介と思っていただきたい。

 

 

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