<特別投稿>今帰仁城跡や周辺の発掘、修復や管理をおこなう文化財係り。専門家の目がとらえた今帰仁城跡。

アンケート調査から考える今後の今帰仁城跡の整備

以前、「今帰仁で実施したアンケート調査によると、住民が整備したいと思っていることと、来訪者が整備してほしい(あるいはしてほしくない)と思っていることには、若干距離があるという結果が得られている。」(本HP掲載、「世界遺産登録10年(中)」より)という事を書いたことがある。このアンケートとは、次に紹介する2つのアンケートがベースとなっている。分析結果をどこかで報告をと考えていたが、なかなかお伝えする機会が無かったので、ここで紹介しておきたい。

一つは、平成21年9月?12月今帰仁グスクを学ぶ会で実施した、無料のモニターツアーの参加者(以下、モニター)よりいただいたアンケートである。
ツアー実施後、記入・回収し、950通の回答を得ている。
ツアーは第3次追加指定地を中心に、城郭内を組み合わせたコース、今泊集落を組み合わせたコースなどが設定された。
このモニターは、参加者の97%が県内客で、追加指定地の認知度は2割以下であったが、ツアーの満足度は非常に高かった。
特に自然資源やガイドには高い評価がよせられた。

二つ目は、平成22年1月から2月にかけて、上記モニターと比較するためにも、村民アンケートを実施した。村内の各字を通して配布回収し、119件の回答を得た。

さて、重要度・満足度の相関関係図でみると、村民はモニターに比べ、全体に満足度がかなり低いということだ。要素別の重要度は、順位は村民とモニターでそれほど変わらないものの、村民は「歩きやすさ、休憩所等便益施設」を、モニターは「パンフや案内板」など情報を重視しているところに違いがみられる。ガイドの満足度が高いのは、これはガイドが実施したアンケートである事からひいき目に見ておきたいが、「休憩所やトイレ駐車場等の便益施設」もモニターにとっては比較的満足度が高いところも注視しておきたい。

 

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整備をするときは、第1に遺跡の声に耳を傾けながら、遺跡の保存を前提にその価値を再生することが重要だ。第2に、やはりお客様の声にも耳を傾けながら、遺跡の価値を傷つけないよう配慮した上で、整備をすることを心がけている。

アンケートから、今後も案内ツールを充実させる事が重要なのがよくわかった。案内板やパンフレット、そしてガイドもその一翼になるだろう。いろいろな手段で遺跡の理解をうながしたいところである。

それにしても、久しく城跡を訪れていないせいだろう・・・・

村民との認識の違いはやはり大きい。施設やガイド体制の整備が進んでいるのに、それを知らない村民も少なくないのは、せっかく世界遺産が目の前にあるのに、ちょっと残念だ。今後は、ガイド活動そのものをしっていただくような取り組みも必要かもしれない。


 

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