<特別投稿>今帰仁城跡や周辺の発掘、修復や管理をおこなう文化財係り。専門家の目がとらえた今帰仁城跡。

アンケート調査から考える・・・(2)

前項に対するコメントが本コメント以外にも寄せられ、以外に反応が多かった事に驚いた。お客様よりの反応は誰もが気にかけている証拠なのかもしれない。

意見には、時に辛辣な言葉もある。逆に整備や管理あるいは活用する側にも、思いつきによるイベント。特定の人々だけに対する利益誘導のための整備。あるいは、一部のマニアにしか受けないような取り組みが行われるケースも少なくない。これらは、あまり歓迎されるものではないのだろう。

旭山動物園を日本一の動物園に導いた元園長さんの小菅さんは、その著書で「学術的知識がよい展示をつくる」と説明する。動物園整備に際して成功に導いた事由の一つに、飼育員が動物を観察しその特性を理解し、行動展示という展示方法ができたというのだ。遺跡の整備でも、当然調査や管理に従事する、あるいは日頃案内いただいているガイドの皆様よりお寄せ頂く遺跡の魅力的なところ。その遺跡の特性を観察し、これをお客様にも理解いただく工夫が必要だろう。

もちろん、アンケートや、さまざまなサイトに書き込まれる「意見」は真摯に受け止めるべきだろう。

つまり、前項でも書いたが、遺跡が教えてくれることと、お客様の目線に立つことの両面が遺跡整備に際した心構えとして必要なのだろう。

さて、前段が長くなってしまったが。先に紹介したアンケート以前に、平成13年に実施したアンケート調査がある。この時点ではまだ、現在の駐車場や交流センターは無いことにご留意いただければ幸いである。

「周辺整備検討時」のアンケート(平成13年度『今帰仁城跡周辺整備計画報告書』掲載内容)
アンケート調査は2001年11月22・23日に平郎門前にて実施された。一般利用者445人にアンケート用紙に記入。別に観光関係者44人にヒアリングを行っている。

・県外客が7割であり、来場回数は「初めて」が7割を超えた。

・城跡の利用時間は6割が30分以内で、短時間滞在型の利用が多い。

・来場手段はレンタカー41%、自家用車30%、貸切バス14%、タクシー9%であった。

・城跡の現状に対しては「特に不満はない」との回答が全体の半数に達した。

・城跡内の催しに関しては、「やってほしくない」との意見がほぼ半数にのぼった。

・設備等の要望に関しては、案内解説板の設置や解説者の駐在など、文化遺産情報提供の充実を求める声が多かった。

次に、「今帰仁グスクを学ぶ会」によるアンケートが平成17年度に実施されている。

平成17年11月・12月、グスク交流センターにて実施されたもので、アンケート用紙を回収ボックスにより回収、531通の回答を得ている。なお記入者はガイド利用のお客様に促して実施されたものであるため、客層の偏りやガイドに対して好意的な意見が多くなる傾向が読み取れる。
・記入者の8割以上が県外客であり、旅行形態は個人・家族旅行が8割を占める。
・城跡の利用時間は30分から1時間が最も多く67%、次いで1から2時間が23%、30分以下としたのは8%と、比較的ゆっくりと観覧していることが伺える。
・城跡の満足度は高く、満足82%、不満なし16%、満足できない2%という結果である。
・ボランティアガイドに対しては、満足が98%と非常に高い評価が得られた。

周辺の整備を実施した前後で、滞在時間が明らかに長大しており、期待するべき効果が得られたと考えている。

 

なお、このアンケート結果を踏まえて着手した訳ではないが、これらの事も勘案しながら整備の指針を練っている。交流センター整備の後年に、外郭地区の整備が着手され、現在見ることのできる進捗なっている。

今後は外郭地区の整備が更に進められ、懸案となっている城郭を分断する道路の撤去や、道路敷の下に埋まって見ることのできない石垣の整備などを予定している。もちろん予定は予定だが、順調に整備が進められ、多くのお客様に来訪いただき、グスクの魅力を余すことなく感じて頂ければ幸いである。

 

 

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