<特別投稿>今帰仁城跡や周辺の発掘、修復や管理をおこなう文化財係り。専門家の目がとらえた今帰仁城跡。

今帰仁城跡になんで自動販売機がほとんど無いか

今帰仁城跡及び周辺には、一部私有地を除き、基本的には自販機は皆無である(2012年1月現在)。
なぜ無いのか・・・それは2005年に庁舎内で議論した際に、以下のような事が話し合われたことによる。

以下はその当時筆者が作成したメモである。古いファイルが出て来たので少し紹介しよう。

◆はじめに

 観光地には自動販売機があふれてます。今帰仁城跡内には自販機が販売する缶ジュースが、その後空き缶ゴミとなって膨大なゴミとして搬入され清掃作業の大半がこれの回収に追われる状態に陥っていた。今でも城外におけるゴミ箱の管理はその大半が飲料のゴミとお見受けする。
 そこで、今帰仁城跡の内外においてはでは、ジュースを販売する場合極力自販機を使用しないように観光客へ協力を求め、缶ジュース等を販売する場合は販売する業者にこれを回収して頂くように努めるシステムを構築することを思案した。村としては、管理費の削減を図ると共に、きれいな城跡を目指したい。

 

1.自動販売機は採算がとれるのか
自動販売機一台の価格は、缶入り飲料用で40万円から50万円、カップ式販売機だと200万円から280万円ほど。カップ式でコーヒー専用だと120万円。この場合の減価償却費は、5年間使用するとして一日660円になる。手数料(ロケーションフィー・地代)、電気代、原価などを考慮すると採算ラインとなる売上金額はカップ式で月12万円(一杯100円として40杯)、缶の場合は7万5000円(120円の缶で一日21本)になる。尚、この数字は、運営の方法などによって変わってくる。自動販売機設置の最大のポイントは、いかにいいロケーションを確保するかだといえる。ちなみに、フルオペレーション方式で自動販売機を設置した場合、ロケーションオーナーへの手数料は電気代を引いて1年に5万円から15万円程度の純利益を生むのが平均だとされている。一般に、自動販売機の飲料の価格は、缶入りの清涼飲料が120円(沖縄では110円)、ペットボトルが150円である。しかしロケーションオーナで手数料を引いて飲料1本あたりから得られる収入は以外に低い。
→このことから、レンタルの自販機設置よりも、店舗によって手売りを行い。営業する店舗等が飲料を中心としたサービス提供を行い、利益とすることが望まし。自販機を設置することで得られるメリットは利用者には大きいが、経営者には意外に少ないものである。利用者に対して城跡が環境問題を考えていることを理解してもらい。各店舗での飲料の購入を促し、交流センターにおける店舗経営者にとっては飲料を求めるお客様を誘因することができる。
(※お客様の足の流れはかなり有効に働いていると見受けられる)

2.ゴミの問題
空き缶・ペットボトルの空き容器の問題は深刻である。観光地においてはゴミの散在=マイナスイメージである。リサイクルについても、対策が進んでいるがアルミ缶の場合70%が再資源化されて二次利用されている。ただ、缶容器の場合、メーカー側に回収の義務がないので、できることが限られてくる。ペットボトルについても回収を義務化しているが、問題も多い。
→飲料の販売者(交流センター内の店舗経営者)が回収者となることが肝要。一方は販売して儲けを出し、一方(教育委員会・指定管理者・等)が販売はせずにゴミだけ回収するということがないようにしなければならない。(※この点は現在は必ずしもうまく行っていないように見受けられ、これを放置すると自動販売機を村で設置してはどうか、という事になりかねないと考える。飲料販売者によって、ゴミの減少への努力がなお一層求められよう。)

3.消費電力の問題
 消費電力量について考えると、消費電力は一台あたり年間1,793kw(約35,000円)程度である。(当時)
→消費電力についても当然販売者が支払わなければならない。(※しかし現在ではかなり省電力タイプの販売機が普及している。)

4.景観問題
最大の問題点は、自動販売機の役割の一つに広告・宣伝があるため、これが景観を損なっているという意見であった。今帰仁城跡の周辺地域一帯は景観保全地区に指定される。自治体によっては既に自動販売機の設置自体を規制される地域もある。台数を減らしたり、景観にマッチしたデザインに変更させたりする動きもある。
→今帰仁城跡から見通せる場所及び、今帰仁城跡周辺の文化財地域から見通せる場所等では風致地区や美観地区を中心に導入を計画することが肝要である。
(※しかしこの点も現在は、交流センター前面に多くの店舗が並んでおり、当初交流センターの持っていた開放的な空間や立柱の美しいロケーションは必ずしも予定していたような風致景観とはかけ離れてしまっている。今後は景観の統一や風致の回復及び、全体的な一体感のある景観の創出が求められる)

交流センター.JPG

 

◆おわりに
 前述のように自動販売機自体の設置を渋る理由もあるが、自動販売機については必ずしもマイナス面だけではないのも事実である。
(※設置するにせよ、設置しないにせよ、飲料に販売・購入に対する受益者がいるのだから、今後も十分にその必要・不必要と役割を勘案し設置の決定や、設置しないと言う事の継続を決定することが大切だろう。個人的にはやはり、日本に一つくらい販売機の無い観光施設があっても良いと考えている。リーフレットのゴミゼロ宣言は、上記販売機を設置しないとういう事と併せて進められたものである。)
 

(※は今投稿に際し加筆)
なお、文面・文章の一部に、HPなどの引用が含まれますが、出典等省略しています。特に数字部分については社会状況変化もあるため、不正確なものも含まれると思われます。ご留意願います。

 

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