<特別投稿>今帰仁城跡や周辺の発掘、修復や管理をおこなう文化財係り。専門家の目がとらえた今帰仁城跡。

謝辞

さて、いろいろな事があって、本ブログを書き綴ってきました宮城は、平成24年3月31日をもって今帰仁村役場を辞し、新しい職場で仕事をすることになりました。

わたくしが採用されたのは、平成9年ですので、実に15年もの間、今帰仁城跡を中心に役場(教育委員会)の文化財係という係で、発掘調査をはじめとする仕事に従事させていただきました。短いといえば短いのですが、長いといえば長いのかもしれません。

今帰仁グスクについて、実は勤めるまではほとんど勉強したことはありませんでした。多少発掘の事を知っているという程度で、手探りでイチからのスタートでありました。最初は、自身のカメラや不足している実測道具などを持ち込んで、調査をはじめた頃が今となっては懐かしくさえ思います。新卒で採用され、すぐに任された現場が今帰仁グスクであったわけです。学生の頃はグスクよりも古い時代の事ばかり勉強していたので、決してグスクについて専門的に得た知識も持ち合わせていなかった自身ですが、おかげさまで多少なりともグスクを理解するために必要な知識を得て、またその成果についてもいろいろ発表させていただく機会もいただきました。これも、一重に今帰仁グスクで仕事をしていたために、未熟な当方にもそのようなチャンスが巡ってきたと感謝しております。不勉強な自身を多くの先輩方や同僚に支えられ、たくさんの先生方のご指導をいただき、どうにか仕事らしい仕事ができるようになってきた矢先の辞職となってしまたこと、申し訳なく思っております。

さて、自身がいた15年は、それ以前より進められてきた今帰仁グスク整備の30年のほぼ半分にかかわったことになります。

この15年は、世界遺産登録。グスク交流センターの開館。交流センターや駐車場の地下の発掘調査。周辺遺跡の調査。今帰仁城跡の追加指定とその公有化。今帰仁城跡門前の外郭の調査と整備など、同僚や職場のスタッフとともに、取り組んできた仕事はどれも一筋縄ではいかないような問題や課題を抱えながら、それを解決し、半ば解決されずにまた宿題に残すというような形で、少しばかり進めることができたと思っております。平成9年には入場者数は10万人前半だったものが25から30万人に、職場自体は正規の職員数は最大7人だったものが今は4人と多少減ってしまいましたが、当時5から6人で調査・管理していた臨時職員も、今では常時30から40人程度のスタッフが関わるまでになっております。特に門前のにぎわいは世界遺産登録や美ら海水族館の開館、古宇利大橋の開通などを追い風に、多くのお客様に来訪いただき、店舗も増え経済的な活動も順調の様子でこれも今帰仁グスクの整備と一体として歩んできたものと感じております。上記のよう、発掘をして整備を進めてきました。また、整備の内容についてはさまざまな意見が寄せられますので、これらの意見をすくいながら、文化遺産としての今帰仁城跡に社会的役割を与えることに奔走してきたところであります。

ただ、整備によってなんとなくこざっぱりとさせてしまったのではないかと、少し反省しているところもあります。自身が担当し関わった整備が、はたして正しかったかどうか、答えは出せずにおります。少し昔の今帰仁グスクを知っている者としては、あの当時感じた、少しさみしいとい言うか、趣のあると言うか、適当な言葉が見つかりませんが、古城の風情が醸し出す遺跡の雰囲気を今後はどのように保持し、また創出していくことができるのか、少し立ち止まって考えてもよいのではないかと思っております。

特に周辺については、多少お金がかかるかもしれませんが、定期的に人員をかけて幹線である道の清掃を基本としながら、そのままの自然を活かし、安い花を植えたりすることなく在来の植物で飾り、案内もなるべくガイドがついて散策的に見せた方が、きっと来訪者にとっては今帰仁城跡とはまた違う感動を得ることができるのではないかと期待しているところであります。ただ、そこはグスク時代の集落跡ですので、建物なども数棟あって適宜セルフで来られる見せる範囲を調整しながら、うまく自然と石垣や遺構が調和するように整備が進むことを期待しております。その中で、本会の担うべき役割もきっとあると確信しております。

加えて、今帰仁城跡に限らず特に今泊集落や運天港、百按司墓といった関わりの深い地域についても、今度は一市民として何らかの形でその風致景観の維持や価値を伝えるようにお手伝いしたく思っております。

さて、本会学ぶ会のガイドの皆様にとっては、宮城はこれで学ぶ会も卒業だとお思いかもしれませんが、お許しいただけるのであれば、近所に住んでおりますので、今後とも会員として本ブログなどを通して情報を発信させていただければと考えております。仕事としては多少疎遠になりますが、どうぞ今後ともご指導方よろしくお願いします。

 

最後になりますが、本ブログを通して今帰仁グスクや仕事の話を綴る事で多くの事を勉強させられたと実感しております。いつもご支援いただき感謝申し上げます。

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写真は、クバの御嶽から外郭や今帰仁村歴史文化センターを眺めたものです。この辺りは追加指定され、第3、第4駐車場が整備、交流センターや便益施設が現在では存在しております。外郭では発掘や整備が進み外郭城壁も一瞥できる状況にあります。

 

追記:ただ、本ブログのタイトルである「今帰仁村の文化財」という内容には合致しないかもしれませんので、そのあたりは追々検討して変更になるかもしれません。また村からの発信も、どうぞ引き続けていただきますよう、ご検討、調整頂ければ幸いです。

 

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