伝統の行事、門中の今帰仁上り

今帰仁グスクのカラウカーと呼ばれる拝所で祈願する門中のひとびと

門中による「今帰仁上り」という伝統行事が始まっています。旧盆が終わり秋にかけて、門中と呼ばれる男系親族の一団が、今帰仁グスクを中心に、聖地めぐりをおこないます。これが「今帰仁上り」です。沖縄語では「なきじんぬぶい」と言います。

今日は、いくつもの門中が、観光バスで今帰仁グスクへ訪れました。ガイドの合間をぬって後ろのほうで、撮影させてもらいました。

門中のひとたちは、供え物、線香、ウチカビなどを風呂敷に包んで、聖域を目指します。観光のお客様とは、持ち物が違うのですぐにわかります。


今帰仁グスクのソイツギの御嶽で祈願する門中のひとびと


祈願する内容は、一門の繁栄や無病息災などでしょう。拝所や御嶽(うたき)に供え物や線香を配置すると、年長者の合図で全員が手を合わせます。

祈願する拝所や御嶽は、門中ごとに少し異なり、伝承によって決まっているようです。5年に一度のわりで、この行事をおこなう門中が多いようです。



門中とは、元々は士族(武士)が組織したのが始まりです。首里王府に仕える士族が系図を作り、王府に提出します。門中に名を連ねていなければ、王府に仕えることができませんから、系図は履歴書や身分証明のようなものです。こうして、門中の結束は非常に固くなっていきます。後に、門中組織は農民階級にも広まっていきました。


今帰仁上りの起源は1800年代とされています。1879年には琉球処分がおこなわれ、琉球王国は存亡の危機にさらされます。そのような激動の時代に始まった行事だとすれば、琉球士族が自らの拠りどころとして、今帰仁詣でを位置づけたのかもしれません。

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