歌碑がありますが何ですか?

今帰仁城内、大庭(うーみゃー)に歌碑が建てられています。これは志慶真乙樽(しげまうとぅだる)の歌碑です。伝説として以下の話が伝わっています。


乙樽の歌碑志慶真乙樽はたいそう美しい娘で、今帰仁城の後方の志慶真ムラに住んでいました。うわさは今帰仁城の王様にも聞こえ、娘は側室として召かかえら れることになりました。昔は王様の側室になるのは、名誉あることなので、ムラ人も喜んで送り出しました。志慶真乙樽は献身的に王家に仕えたので、その徳が 称えられ、今帰仁御神(なきじんうかみ)と呼ばれるようになったということです。

歌碑は琉歌で、次のように謡われています。

♪なきじんのグスク  しもなりのクニブ ♪しげまうとぅだるが ぬちゃい はちゃい

およその意味は、次のようです。

「今帰仁のグスクに、霜成りの九年母(クニブ)が実るように、王様の跡継ぎが誕生した。志慶真乙樽はお子をあやして遊んでいる。」

王様には世継ぎがまだなかったが、ようやく王様が年とってから世継ぎが誕生した。「霜成りのクニブ」とは、霜が降りるころに実ったクニブ(シークヮーサー)。時期はずれのクニブと晩年の世継ぎの誕生を重ね合わせています。

「ぬちゃい はちゃい」とは、糸を通して輪にしたクニブを、首にかけたりはずしたりしている様子を表現し、子どもをあやして遊んでいるようすを謡ったとされています。

この歌碑は今帰仁城に初めからあったものではなく、伝説にちなんで、琉球政府時代に建てられたものです。歌を詠んだ人は不明ですが、琉歌のリズム8,8,8,6で詠まれています。歌碑の付近にはシークヮーサーの木があったそうですが、今はありません。