生物 はの最近のブログ記事

洞くつにすむカタツムリ

今帰仁城跡の周辺には、広大な石灰岩地域が広がり、洞くつも多く存在します。洞くつの中は、昼間でも光が届かず、真っ暗です。そのような洞くつの奥には小形のコウモリの仲間や洞くつに特殊化した小さな生きものが見られます。今回、紹介するのは、洞くつに特殊化したカタツムリです。一般に、カタツムリというと、大きなものを連想する方が多いと思いますが、この洞くつにすむカタツムリは、殻の高さ(大きさ)が2mm前後と非常に小さい。一見、砂粒かと思うほどですが、拡大するとちゃんとカタツムリの形をしています。洞くつであればどこにでもいるという種類ではないようで、湿った鍾乳石周辺でしか見られません。名前は、「ホラアナゴマオカチグサ」といいます。この長い名前の巻貝は、1937年に鈴木好一氏により栃木県から産出した化石により、新種として記載されました。その後、日本各地の鍾乳洞内から生きた貝が発見され、現生の貝類であることが明らかになりました。沖縄県内での詳しい分布状況については不明な点が多くあると思いますが、洞くつが多く分布する大東島(南大東島)の個体群が、新種として発表されています。私(自然管理人)も、2010年に今帰仁城跡の洞くつ内に入り、偶然にこの小さな貝類と遭遇しました。

 一般に洞くつは、他から隔離された環境となるため、種の分化が起こりやすいといわれています。また洞内の動物達は地表の生物の祖先に由来していると考えられています。鍾乳洞のなかで一生を送り、長い間、子孫を残しつづけてきた小さな貝類には、どんな歴史があったのでしょうか。

DSC_0122.jpg

horaanagomaokachigusatriming_0692.jpg

ハブ

春分の日も過ぎ、沖縄も夏のような暖かい日が続いています。暖かくなると、活動が鈍っていた生きものたちも活発に動き始めます。写真のハブ(毒ヘビ)もそうですが、沖縄本島のあちらこちらで道路上での轢死体が目撃されるようになりました。今帰仁村内ではあまり目撃されることはありませんが、民家周辺などの石垣など隙間のある場所には潜んでいる可能性があります。これからの季節、野外で自然観察する際には、ヤブなどにはむやみに手を突っ込まないよう、注意が必要です。ちなみに、私(自然管理人)は、ここ2年間の間に今帰仁城跡ではハブを一度も目撃していません。また、ハブ以外の爬虫類(アカマタはたまに目撃)も、今帰仁城跡周辺ではほとんど目撃する機会が無かったので、ひょっとしたら、最近個体数を増加させている外来哺乳類のジャワマングースや野生化したネコが卵などを捕食しているのかもしれません。

habu_0835.jpg

ミミズのようなヘビ

皆さん、写真の生きもの、見たことがありますか? まるで、ミミズのようです。今帰仁城跡の発掘を担当している職員が発見しました。これはミミズではなく、何とヘビです。ミミズには体節がありますが、こちらにはなく、体の表面はウロコで覆われています。名前は「ブラーミニメクラヘビ」。別名がミミズヘビと呼ばれるヘビです。体長もまるで少し大きなミミズで、160-220mm。草地や日当たりの良い乾燥した土壌にすみ、アリやシロアリなどの卵や蛹(さなぎ)、小さな節足動物(土壌動物)などを食べて生活しています。しかし、何とも不思議な生きものです。私も最初に見た時は、ヘビとは思いませんでした。

DSC_8634.jpg

写真1.ブラーミニメクラヘビ(左横のヤスデの大きさと対比)

 

DSC_8644.jpg

写真2.体の表面にウロコが有るのが分かる。

    写真の左下側が頭。

フナムシ

皆さん、フナムシをご存じでしょうか。海岸沿いの岩の上をサササッと足早に走っているので「ゴキブリみたい」と一般の評判はよくありませんが、大事な海(海岸)の掃除屋です。子供に人気のある陸にすむダンゴムシと同じ等脚目です。ゴキブリみたいというのですが、よく見てみると、琉球漆器にも使われている螺鈿(ラデン)細工のような色模様があります。ゴキブリも、家屋害虫として知られているコワモンゴキブリやチャバネゴキブリ以外にも多くの種類がいますが、そのほとんどが森の中におり、落ち葉などを分解しています。中には色彩も「ルリ色;ルリゴキブリ」をした種類が奄美大島などの島にいます。海辺にもさまざまな生きものがすんでおり、それぞれが行っている役割は非常に地味かもしれませんが、美しい砂浜をつくっているといえるでしょう。大潮の時に、今帰仁の海岸沿いを散策すると、普段は見かけないさまざまな生きものが観察できます。

funamusi_7193.jpg

sakiyamakaigan_7252.jpg

ミミズを襲うホタルの幼虫

ホタルの仲間の幼虫は、全てが肉食で、種類によってさまざまなものを食べることが知られています。幼虫が水の中に棲むクメジマボタルなどはカワニナを食べ、陸生ボタルの幼虫はカタツムリやヤスデなどを食べます。沖縄本島(奄美諸島や沖縄諸島、八重山諸島)には、さらに特異な食性をもつホタルが棲み、なんとミミズを食べます。沖縄本島の種類は「タテオビクシヒゲボタル」といいます。体の大きなミミズの胴体にかみつき、麻酔の役目を果たすと考えられる消化液を注入し、体液を吸うという、何とも豪快なお食事です。写真は、まさにミミズを襲っている光景です。体長が20cm以上もあるミミズの胴体中央部付近にかみつき、離れる気配がありません。相当に痛いのか、ミミズは体を回転させたり、落ち葉の下側をくぐったりと必死の応戦です。結局、ホタルの方が食べることをあきらめて離れましたが・・・。このホタルの幼虫は、手のひらの上で持っていると噛みつく時がありますが、その痛さはハチ以上。おそろしい消化液です。

oofutomimizutohotaru_2826.jpg

カテゴリ